あなたが株を買う目的はなんですか?
一般的に株を買う目的として下記の3つを挙げる方が多いです。
- 成長株の売買により収益を得る
- 高配当株に投資して配当金をもらい続ける
- 株主優待をもらってお得に生活する
一つ欠けていませんか??
それは、あなたの好きな会社を応援(支援)するために買うという視点です。
「新規発行時ならわかるけど、他の投資家から買って会社の支援になるの?」という疑問を抱いたことはありませんか?
今回は株を買ってもらうこと、株価が上がることの会社側のメリットを解説していきます。
Contents
株価上昇のメリットは大きくわけて5つ!
- 企業としての信用力がUP!新株発行や金融機関からの借入がしやすくなる
- 企業イメージUP!優秀な人材が集まってくる
- 敵対的買収の標的になりにくくなる
- 有利な条件でM&Aを行える
- 株主数増加により上位市場への昇格基準を満たせる
上記5つのメリットがあります。
次項で詳細を解説していきます。
企業としての信用力がUP!新株発行や金融機関からの借入がしやすくなる
株価は将来価値を織り込んで価格が変動します。
つまり、将来性や安定性を評価されている企業の株価は上がっていきます。
また、時価総額(株価×発行済株式数)が上昇することで、企業の信用度が上がり資金調達を有利に行えるようになります。
企業が資金調達をする手段は3つあります。
- 新株発行
- 社債の発行
- 金融機関からの借入
仮に1,000株を新規発行する場合を考えてみます。
- 株価100円の場合:100円×1,000株=100,000円を調達
- 株価1,000円の場合:1,000円×1,000株=1,000,000円を調達
このように同じ株数の発行でも株価が高ければより多くの資金を調達できます。
社債の発行や金融機関からの借入は返済の義務がありますが、信用度の高い企業の方が利息(金利)が少なくて済むので、有利な条件で資金調達できます。
金融機関からの借入時に自社株を担保にするケースもあります。
株価が高いとその際の担保価値も高くなるのも、メリットとなるでしょう。
企業イメージUP!優秀な人材が集まってくる
- 株価が右肩上がりの成長性の高い会社
- 株価が右肩下がりのオワコン企業
あなたはどちらで働きたいですか?
多くの方は上の「株価が右肩上がりの成長性の高い会社」を選ぶことでしょう。
しかし、就職先を決める際に株価を見て決める方は少ないかもしれません。
就職活動で人気が高いのは「安定性の高い大企業」や「成長性の高い業界や企業」ですよね。
株価は成長性や安定性を評価されて決まりますので、就活時には強く意識していないとしても株価(時価総額)が高い企業ほど志望者が多く、結果的に優秀な人材が集まってきます。
敵対的買収の標的になりにくくなる
敵対的買収とは「買収対象の同意を得ずに株式を買い集め経営権を取得する」ことです。
例え創業者であろうと、他者に51%以上の株を取得されると株主総会での議決で勝ち目が無く、実質的に経営権を失うこととなります。
企業が(敵対的)買収を行うのは、自社傘下に入れた際の利益が買収にかかる費用を上回ると判断するからです。
利益>買収金額
仮にA企業(発行株総数100株)を買収すると10万円の利益を見込めるとします。※51株を取得すると経営権を取得できる。
【株価が1,000円の場合】
1,000円×51株=5万1千円で取得可能
利益10万円>買収金額5万1千円
※買収メリットあり
【株価が2,000円の場合】
2,000円×51株=10万2千円で取得可能
利益10万円<買収金額10万2千円
※買収メリットなし
株価が高いと買収に必要な費用が増加するので、買収メリットが少なくなっていきます。
そのため、株価上昇は敵対的買収の標的になりづらくなるということが言えます。
有利な条件でM&Aを行える
株価の上昇により買収されづらくなりますが、逆に買収しやすくなる効果もあります。
会社の買収(M&A)の方法はいくつかあり、その一つが「株式交換」です。
株式交換では、自社の株式(一部)と買収対象企業の株式(全部)を交換することで完全子会社化をすることができます。
その際に株価が高ければ、譲渡する自社の株式数を少なくすることができ、より有利な条件で買収可能になります。
株主数増加により上位市場への昇格基準を満たせる
株式市場には「東京証券取引所」「名古屋証券取引所」「札幌証券取引所」などの取引所で売買が行われています。
一番規模の大きい「東京証券取引所」には4つの市場区分があります。
- 東証一部
- 東証二部
- マザーズ
- JASDAQ
東証一部に昇格するためにはいくつかの基準を満たさなければなりません。
【東証一部 形式要件】
- 株主数:2,200人以上
- 流通株式数:2万単位以上
- 流通株式時価総額:20億円以上
- 流通株式比率:上場株券等の35%以上
- 時価総額:40億円以上
日本取引所グループHPより一部抜粋
https://www.jpx.co.jp/equities/listing/criteria/transfers/index.html
株主数が昇格要件になっていますので、個人投資家が増えるに越したことはないでしょう。
そういう意味でも、自分が応援したい企業の株を買うのは意義があります。
まとめ
株価上昇のメリット、応援したい企業の株を買うことの意義をまとめました。
実際には個人が株価に影響を与えるほどの規模で投資をすることは難しいことでしょう。
たとえ微力だとしても、私は応援したい企業の株を買います。
株を買うだけでなく、SNSなどで商品やサービスをPRすれば企業のためになります。
個人でできるレベルのことをやりながら、日本の発展に貢献していければと願っています。